【絵本】できそこないのおとぎばなし【イバラ姫編】 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
王子様になれなかったモノのお話。できそこないのおとぎ話
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい絵本の物語をお楽しみください。
全9ページ
【追記】12月13日修正を行いました
・飾り窓の文字部分が寂しかったので装飾を追加
・絵本の7ページ目の背景を追加
・『できそこないのおとぎばなし』をシリーズで出したいのでタイトルに【イバラ姫編】を追加
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レビュー
アンティーク調で重厚な画面づくりからは高級な印象を受ける。人魚姫やマッチ売りの少女といったアンデルセン童話を彷彿とさせるもの悲しいラストだが、これをバッドエンドと呼びたくはない。
それは主人公の選択を非難するようなものだろうと思うからだ。
心に寂しさというスパイスを残していく作品が好きな方におすめ。 悲しい…心があっても姿が醜く、抱きあげる腕も口づける口もなかったら挑戦することすらも出来ないのかって。しかし彼の決断は強いしカッコイしいじらしいと思います。自分で好きな人を傷つける前に気づいたのもだし、愛する人を想って身を引いてそばにいるという途方のなさも。
原作のいばら姫に挑戦した王子って結構運命の相手以外にもいたんでしたっけ?その中にもこういう語られない報われない恋ってあったのかもしれませんね。 捕らえられた姫を助けるためにイバラの城に向かった、とある存在の物語。
確かに彼は姫を目覚めさせることも、抱きしめることもできないかもしれませんが、その究極の自己犠牲の精神に感動です。この想いが姫に伝わらないところが凄くもどかしいですね。とある存在の造形が凄く禍々しく、そしてカッコよくて見惚れます。ラストページの彼の表情を見て、心に去来するものは何なのかと考えるとても味わい深い。 できそこないの生き物が、イバラの城へと向かい、お姫様に会う話。
しかし自分は王子様ではない、姫様を目覚めさせることができない。
そして彼が選んだ道は…。
正直寂しい物語ではあります。
彼には幸せになってほしかったし、
彼の選んだ選択から余計に幸せになってほしいと思えた。
確かに愛のある話です。
切ないけど、これ以外に道はなかったのかなぁ…。
続きが気になるお話でした。 茨姫を題材として、おとぎ話が誰にでも平等に実現しないことを示している作品です。
おとぎ話というのは、ある種の物語上絶対の約束があり、運命があり、その結果として報酬があるタイプの話が(近代以降に整理された作品には)多いわけです。ですので、この作品は元の「茨姫」がどのようなお話であるのかを知らないと、このお話の悲劇性が完全に理解できないと思います。
茨姫は、眠れる森の美女が類話に挙げられる童話です。大本の童話のパターンを大きくまとめると、こうなります。
「茨姫は10年の眠りの呪いからひとりでに覚めました/茨姫を助けようとする王子に対して、10年の呪いの解けた茨は自然と道を開きました/
茨姫は王子のキスで目を覚ました」
主人公には、元々資格がなかったのです。だから自分が茨になるという決意には悲壮感がありますが、私が読後に一つ気になることは、茨が枯れてしまったということです。茨姫は目覚める日が来るのでしょうか・? 自身の腕でお姫様を抱きかえれば傷つけてしまうこと、自分が王子様ではないと知っていたこと。
本物の王子様が現れるまでお姫様を守り続けようと決意したこと、などから、彼は心と優れた知性を持っているんだなって思いました。
見た目から察するに、彼は魔物とかモンスターと呼ばれている存在とみて間違いないです。
それでも考えていることが人間に近いので、前世は人間だったのかもしれませんね。
あと、最初のページの一番上にある文章、これが全ての答えだった気がしました。
最初に謎かけをしておいて、全ての答えがそこにあったという感じです。