【絵本】ルーメリアの唄 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
紅い瞳が不気味だと【母】に抱かれたことのない少女は、自分と同じ【紅い瞳の王】に抱きしめられることを願った。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
全9ページとなっております。
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レビュー
絵本である関係上、テクストが少なめなのは予測できるかと思いますが、今作においては『ルーメリアの唄』の題名の通り、歌の形式になっており、美しい挿絵を追って流れるように読んでいてはすぐに読み終えてしまいます。つまり、他の作品よりも一種の吟遊の詩などに近いということです。ですので、今作の購入を検討される際は、その点は理解したうえで買われるようにと思います。逆に、唄という作品のテクストの特徴上、最初の説明の一ページ以外は、リズムに乗せて読めるようになっておりますので、歌うように音読するとより楽しめるかと思います。
また、ルーメリアと王の紅い目に気を取られがちですが、ルーメリアが使っている人形の目の色も紅いのが、ルーメリアの他者に愛されたいという想いを感じられるとても重たい表現だなと思います。 少女は紅い瞳の色を理由として、母に抱きしめられたことがありません。
でも自分と同じ瞳を持つ王からは、条件付きとなっているもの、結果を出せば愛してくれるようです。
思ったのですが、他に紅い瞳を持つ者がいないのであれば、王が少女の本当の父親なのではないでしょうか。
これが真実だとすると、母から抱きしめられないのも身分が違いすぎるためということになります。
人形使いの少女が気になったので、こんな仮説を立てみました。
それと、少女のことを狂ったと言っているのは、彼女と戦った者たちだと思います。
おそらく、人形を駆使しながら戦場を走り抜けていたのでしょう。
おまけに相当強いときていますし、異名がついてもおかしくないです。 「絵本」とはいうもの、子供向けの絵本では無いですね。
内容は、紅い瞳の女の子「ルーメリア」を主人公としたシリアスなダークファンタジーです。
瞳の色が普通とは違い不気味だからという理由で、母親からも拒絶されるのが哀しいです。
そしてルーメリアは寂しさを埋めるように人形で遊びます。
しかしそのルーメリアの操る人形というのがクリーチャーみたいなデザインでかっこい!
独特な世界観が面白い作品でした。 韻を踏んだ歌のような、詩のようなお話。テンポが良いので、体感短く感じる。「【母】に抱かれて幸せと、自分で糸を引いている」のくだりが個人的にとても好きです。表紙のなんともいえない笑顔のような、泣いてるような顔も好きです。
狂った、小さなルーメリアが、せめて王様にはキチンと父のように抱きしめてもらえたのか。狂気よりもそこが気になる作品でした。 その赤き瞳故に、母親から愛されず育ったルーメリアという少女の物語。
ルーメリアは、自分と同じ瞳の色を持つ王に抱きしめられることを望み、
そのためには王の敵を殺めることも厭わないようです。
ルーメリアの生涯を唄に見立て物語が進みます。王の為にその手を汚したルーメリアですが、果たして王に抱きしめてもらう願いは叶ったのでしょうか。
ルーメリアの瞳の色と、穢れた手の色がシンクロしているようで少しホラーです。