【絵本】召喚術式03試験応用の事例 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
追放された召喚術士の最初で最後の召喚術。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
表紙を合わせて全70ページとなっています。
※注意※
今回は少しだけ異世界要素が含まれています。
今までの【デュナの絵本】の雰囲気が好きで購入されていた方は少し注意が必要です。
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レビュー
この作品は、作者の方がこの作品の販売ページで説明しているように、確かにデュナの絵本シリーズの中で「ヒットする客層が違う」という意味合いで作風が異なる。だからといっていつものデュナの絵本シリーズのファン層が楽しめないわけではないのだが、この作品は、確かに古都デュナルベルグから出てきた絵本として扱うにはかなりギリのところを攻めていて、それが「少しの異世界要素」。具体的には私たちの世界の要素が作品中に登場するので、古都デュナルベルグ世界と私たちの世界が連続した宇宙に存在することに違和感を感じる人のためにこの説明がされているのだと思う。ただし、この作品のテーマ性がデュナの絵本シリーズと異なるとか、そういうことはない。画風も、ファンタジー作品であることも、きちんと押さえられているので、いつものデュナの絵本を期待して買うと戸惑うこともあるかな?くらいのものである。デュナの絵本は、時折こういう変化球作品を入れてくる。そこが好き。
さて、この作品は何を話の種として採用しているかというと、表紙の女の子の専門とする「召喚魔術」である。確かに異世界ものと相性の良いテーマである。今作のタイトルにもなっている。試験応用というのは前例がないのだろうか?ぶっつけ本番?どういうこと?
何を召喚すんの?よくある勇者とか魔王とか召喚するやつか?この作者さんそういうの書く人か?そうした疑問を惹起する文字列ではある。ある意味ではデュナの絵本シリーズビギナーにも同じような疑問を抱く人がいるかもしれない。
内容に関しては、デュナの絵本シリーズを20冊以上世に送り出してきただけあって、ストーリーの構成もしっかりしているし、70ページの分量がある。
たまにはこういう作品もいんじゃないかなって思います、私は( ・∀・)。 強大な魔力と闇の属性故に山奥の廃墟に幽閉されてしまった召喚術士の少女の物語。外の世界との交流を断たれた少女は、大きな鏡を使って外の世界を覗こうとするのですが、そこに映ったのは風景ではなく一人の人物でした。
PCとかビデオ通話とか、ファンタジーに馴染みの無い単語が出てきて面白い。
クサナギが置かれている状況も混迷している現代を象徴しているようで興味深かった。切ない話ですが、結末は読んで確かめてください。 中世ヨーロッパでは優れた能力を持っている者、つまり類い希な頭脳を持つ科学者などを魔女と認識することもあったそうです。
この作品では、特異な能力を持つ術士の娘を幽閉しているので、大昔の魔女狩りとちょっと似ている気がしました。
ところが、私の思惑とは全然違う方向へと進んでいったのでした。
簡単に説明すると、研究生活を送っているうちに、ひょんなことから見知らぬ第三者と知り合いになります。
そのま良い関係になっていったので、幽閉されたことこそが物語のスタート地点だった訳ですね。
中間から後半にかけてシリアス面が一気に濃くなります。
作品のタイトル名の謎もこの辺りで明らかにされます。
神様は何処かで見ていて、良いことをした者に祝福を与えてくれるんだなって言いたい気持ちになりました。
最後まで読むと、私と同じ感想を抱くと思います。