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【絵本】笛吹のユウレイ [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18

    【絵本】笛吹のユウレイ [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18

    あらすじ

    死後も笛を吹き続けるユウレイと、死ぬことに希望を見出す女の子のお話。

    飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
    全58ページとなっております。

    サンプル

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    レビュー

    この作品の主人公は、笛吹の幽霊である。彼は、笛を吹くことがやめられない存在である。そしてどうやらこの幽霊は屋敷から動くつもりがないところを見ると、笛を吹きたいだけではなく、屋敷の地縛霊でもあるようだ。しかし、主人公は笛を吹きたくて吹いているのではないようで、誰にも聞こえない笛をひたすら光の届かない場所で吹き続けるという、ただ繰り返しの毎日を送っていた。
    誰にも認識されず、誰にも届かない笛の音色を、誰の気配も感じずに、ずっと休まずに吹き続ける。笛吹の幽霊がいたのはそんな閉じた世界であり、そのせいか笛吹は生前のこともわからなくなっている。自分のために笛を吹いて笛の道を究めたいというわけでもないので、それと矛盾する演奏に対する笛吹のあまりの執着に、笛吹の抱える未練の大きさというものが伺い知れてくる。そんな誰とも関りを持とうとしない笛吹に、少女が突然関わってくるのであった。
    さて、こで作品説明を見てほしい。この女の子は「死に希望を見出している」という、のっけからとんでもなく重たい子である。笛吹の未練も相当だが、この年の幼い女の子がそこまでの心境に落ちるとは、この子の過去にいったいどれほどの絶望があったというのだろうか?それは一人の笛吹の幽霊の力で拭い去れるものであるのだろうか?地縛霊というある種の現実に納得できず未練を残し死んだ存在である笛吹が、いかにしてその現実に立ち向かっていくのか。目が離せない一作となっている。 薄暗い屋敷で誰にも認知されずに笛を吹き続けるユウレイと、とある少女の物語。何故かユウレイを認知出来る少女が毎晩笛を吹いて欲しいとねだり、ユウレイも少女に少しづつ心を開いていくのですが・
    少女の過酷な運命と自分の過去を重ねたユウレイが取った行動が熱い。
    ユウレイにとっては一人寂しく永遠に笛を吹き続けるよりも、その命を懸けられる存在に出会った事が幸せだったのかもしれない。 この作品を一言で言うなら、面白くて感動もできて悲しい気分にもなる本です。
    ハンカチかティッシュを手元に用意してから読むのをお勧めします。
    主人公の笛吹のユウレイ、聖職者風の衣服を着た老齢の男性、や青い目をした少女の3人が主要人物として出てきます。
    幽霊でもあるユウレイを見ることができるのは、作品内では少女のみです。
    物語はユウレイが屋敷でいつものように笛を吹いていたところへ、上記の2人がやって来たところから動き始めます。
    最初は奇妙と感じつも、そういう子もいるのだなと感心する内容でした。
    世の中には彼のことが見える人もいますし、不思議なことではなかったです。
    でも、老齢の男性と会話をする辺りから徐々にシリアスな展開へとなっていきました。
    人の世は全ての人間が幸せになるという訳ではない、そういう言葉が似合う物語へ。
    となるところだったのですが、それを食い止めたのはやはり彼でした。
    笛を残した意味、これは私なりの解釈ですけど、決して一人じゃないと伝えたかったのではないでしょうか。
    そのおかげもあって、少女は宝物を手に入れたのですから。