【絵本】十三の国 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
”十三”の数字に呪われた国『十三の国』で起こる、復讐と約束の物語。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
※収録内容
本編:表紙+全85ページ
『おまけ』:7ページ
合計93ページとなっております。
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レビュー
十三という数字は、忌み数である。この作品『十三の国』の世界でもそれは同じである。この世界は、成り立ちから不幸である。これまでのデュナルベルグ作品であれば、そんな不幸の中でも幸福にたどりつくような序盤の少女サティンの努力でさえも、十三の神の過ちによって、変質してしまうのであった。神器は確かに祝福なのだろうが、十三歳で止まる時間も、最高の価値も、作中ではサティンに対する呪いとして一貫している。不老不死も豊穣も最高の力だが、十三の神が一方的に与えたそれのせいで、サティンは苦しみ、十三の国は神を失い、争いの絶えない国となってしまうのだ。
読後の感想としては、この作品は本編において、サティンの心境と読み手がシンクロするように作られている。これに対して、おまけの側では、作中の登場人物の心境がつづられており、ある意味本編の側では描写されなかった補足で、行動に納得がいくのである。 ”十三の国”で生まれた美しく心優しい女の子と、自分が十三月に生まれた事を呪う男の子の話。
サティンは優しすぎた故に十三番目の神に近づき、それが理由で呪いにかってしまう。
そしてサティンを失う事を恐れた神は、戒律を破って“神々の落とし物”を
サティンの胸に埋め込んで復活させるという手段に出ます。
結局十三番目の神の想いも裏目となり、蘇生後のサティンは自らの存在自体に苦しむことになってしまいます。
十三以外の神々なら、サティンの死を受け入れられたと思うのですが、
呪われた自分に優しくしてくれたサティンを十三番目の神はどうしても失いたくなかったのでしょう。
生々流転を受けいれていれば後の悲劇も起こらなかったのではないかと思った。 13というのは不吉な数字、有名なホラーも13日だし、宗教的にも不吉。どこぞの童話も13番目の魔女は嫌われている。一日の時間、一年分の時間ともかわりが深い12と違って、人が飼い慣らせない数という理論もどっかで読みました。
そんなわけで、今回は呪われている国のお話です。といってもオマケの補足説明や事の起こりも含め、思いやりがあまりよくない方向に行ってしまった…みたいな内容なのでそこまで地獄というわけではありません。サティンから剣を抜くところの一連の絵がとても綺麗。元々画力は申し分ないサークルですが、旧作からこうして最新の方まで読んでいくと、演出面などます成長が見える感じ。
題材の呪われた数字ほど不吉を煽るようなタイプの話ではなく、やるせなさが残るタイプの切ないファンタジーでした。 サティンが初めて登場したとき、高貴な身分にある者が身につけてそうな帽子を被っていました。
豪華な装飾品がいくつもついて、どことなく知性を感じさせる帽子です。
ところが、神によって神器を与えられてからは被らなくなりました。
波瀾万丈とも言えるストーリーへと変化したので、これが原因かなと思いました。
護衛兵の彼に関する話も意味深でした。
信頼できるものだったはずなのになぜ?といった感じです。
上記の答えはおまけの方にありました。
帽子を被らなかったのも、途中で彼が出てこなくなった謎もこれで判ったのですが、しんみりとした気持ちになりました。 シリアス調で終始物語が進み最後は少しだけ救われたようなビターエンドで終わる物語です、とても悲しいお話なのですが物語の終わりは確かに小さくとも救いがあり後味が良い感動ができます。
キャラデザが純粋に格好良く十三の神の見た目は男心をくすぐられる良いデザインだとおもいます、見た目の格好良さと内面の繊細さがギャップを出していて好みのキャラでした。