【絵本】顔無し騎士アルカレス【再修正版】 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
王女のために戦い、顔を失いそしてすべてを失った騎士のお話。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
全17ページとなっております。
【追記】2020年07月21日
6枚ほど描き直しを行いました。
【追記】2020年11月14日
表紙以外の中身を微調整しました。
文字数が少ないわりに文字部分が絵本の半分ほどを占めていたので面積を小さくし
イラストの部分の面積を少し増やしました。
絵本の1コマを1ページだけ追加しました。
サンプル
購入はこちらから
レビュー
この作品は、心優しいエルフの女王を守るべく戦った騎士アルカレスのストーリーを描いた、古都デュナルベルグの絵本です。憧憬の感情は必ずしも深い理解を意味しないように、アルカレスは王女の意見に寄り添うというよりも、王女を守ろうとした男だったようです。そんなアルカレスは王女の笑顔のために戦争の根絶を決意したのですが、というのがサンプル画像の範囲です。
この絵本の表紙について語りますと、黒騎士の意匠が非常に禍々しいことがわかります。赤い布もよく見ると色の濃さが違う部分がある気がしますし、
鎧の色もなんだかところどころ黒よりも赤っぽいような・?そして鋭い歯が並ぶ口。鋭い指先。なんと恐ろしい姿なのでしょう。
この作品を読み通して、特に印象的だったのは、色です。この作品は、色が付けられる部分がはっきりしているがために、その印象がくっきりと残ります。そして最後の一ページが、もう、文章も相まって気持ちのやり場がどうしようもないのです。果たしてアルカレスの参加した戦争は、どのような原因だったのでしょうか。作中で暗示されてはいますが、その通りだとすると辛いです。
物語の傾向としては、重く暗い話であるかと思います。 主人公アルカレスも王女も、互いの事を大切に思っていたのでは思います。
特にアルカレスは、自分が王女を悲しませる存在だと判断したとき、逆上することもなく王女の前から姿を消す選択を出来るほどです。
ただ、王女の為にとってきた行動が、王女を悲しませる結果に繋がってしまってやりきれないと思いました。
アルカレスはもっと王女と話し合い、互いの望む結果を目指せるようにしていれば、とつい考えてしまうぐらい引き込まれる世界観があり、面白い作品でした! 多分王女の平和には騎士の笑顔も入っていて、騎士は自分の事なんか王女が笑ってくれさえすればどうだってよかった。そのすれ違いが悲劇と言える作品だと思います。最初に出て来るイケメン顔が二段変貌しちゃうのが可哀想でもあり興奮もしました。
しかしちょっと騎士も可哀想な気はするよね。あなったのも王女の為だと思うとね。多分冒頭で言ったとおりの王女の心中もわかるんですけどね。 誰かの名前が語り継がれるきっかけは、戦争で大活躍したか、普通では倒せないモンスターを倒した場合など色々ではないでしょうか。
ドラゴンかそれに準ずる強さを持つ何かを退治して英雄として語り継がれる、ファンタジーの世界ではありがちなことだと思います。
この物語の場合は、ファンタジーの世界にいる騎士が戦争で大活躍して勇名を馳せていました。
自身が愛する者が悲しむものをなくすため、平和な世界を作るため、彼は誰よりも勇敢に戦ったのでした。
全てを終えた後、彼は顔無しの騎士になったのですが、その姿を見て私はこう思いました。
王女は悲しんでいると同時に、本心では感謝しているのではないかと。
平和になったのは彼のおかげでもあるからです。 今作も悲しお話。戦争が嫌いで心の優しい王女を愛する騎士アルカレス。
王女を悲しませるものはあってはならないという事で、戦争を終わらせるためにその剣を振るいまくります。アルカレスの奮闘で戦争は終わったのですが、何故か王女はアルカレスに恐怖心を抱いてしまい・
王女の悩みを解決するには武力を行使するしかないというアルカレスの考えが浅はかですね。ラストページのアルカレスの行く末の姿がカッコよく芸術的です。