【絵本】略奪騎士の断末魔 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
最後の最後まで愛されることの無かった騎士のお話。
飾り窓で飾られた物静かで悲しい絵本の物語をお楽しみください。
全16ページとなっております。
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レビュー
デュナの絵本シリーズには様々な騎士が登場しますが、今作の物語の主人公である略奪騎士は不思議なことに、そのバックボーンがわからない状態で始まります。通常、騎士というのは、主君に仕えるのか、戦場で戦うのか、何にせよ生き方に応じた目的があり、そのために騎士になっているはずなのですが、略奪騎士はなぜ騎士になったのか全く分からない存在です。彼は、遺跡の番人をとして千回遺跡の宝を狙う者を滅ぼせば渇望が満たされるという何らかの確信以外は何も抱いていないのです。表紙の略奪騎士のデザインは、血に塗れた剣の刃が生々しくも、王道の黒い騎士であり、その外見の印象には美しさもあります。彼の結末までの物語をどうぞ手に取ってください。 略奪騎士によって大陸中に響き渡った断末魔は、悲しみではなく歓喜に満ちた感じだったのではないでしょうか。自分自身の過去と、本当に欲しかったモノが何だったのかを思い出した後に逝けたのですから。
千回目の挑戦者が、少年とその母親でよかったと感謝しているかもしれませんね。
愛は何物にも代えがたい力となり得る。
生きる糧となっているだけでなく、生きる原動力として私達を支えてくれてもいる。
読むことでそれらを思い起こさせてくれるお話でした。 とある遺跡を守る騎士の物語。騎士には記憶が無く、自分の名前さえ憶えていない。あるのは心の渇きと、遺跡にある宝を千回守れば心の渇きが癒されるという想いだけです。
騎士が宝に願っても、叶えられない理由が最後で明かされます。記憶を取り戻さない方が騎士にとっては幸せだったのではないかという想いで一杯ですね。
おそらく母と息子も騎士の正体を最後まで分かっていなかったようで、その事実が更に切なさを増幅させます。 宝を守り続ける騎士の話。前半謎をほのめかしつ、後半で回収に入ります。自分がされたかった美しい光景を見て、宝を託し、朽ちる。王道な感動話の大筋なのですが、タイトルにも入っている「断末魔」というのが良い意味で引っかりますね…。童話調の簡素で美しい文章に美麗な絵が添えられていて、絵で細かな描写をしているシリーズなので、細かい部分は文章で語られていないのですが、最後はやっぱり笑顔で消えたのではなく、「自分もあんな風に愛されたかった」という悲しみに満ちたものなんだろうなと想像すると切ないです。
それでも八つ当たりのような殺戮エンドに走ることなく、あり得たかもしれない自分のような少年に宝を託せた騎士よ、安らかなれ。と思う作品でした。 遺跡に眠る、何でも願いを叶える宝を守り続けている、騎士の話。
騎士はなぜ自分がこにいるのかもわからず、
宝を狙う挑戦者達を次々と殺していきます。
たくさん殺せば自分は満たされるはず! と殺し続けますが、
千回目の挑戦者が現れたとき、彼の運命は激変します。
元々騎士が何者だったのか、どういう存在だったのかを思い出し、
最後は切なくも優しい終わり方で幕を閉じます。
優しい話でした、面白かったです。 やろうと思えばもっと退廃的に陰鬱とした物語にすることができたと思います、ダークな雰囲気こそあれど露悪的でなく希望と愛が根底にあり、終始第三者視点で語れるからこそ登場人物の感情を想像する余地があり、過去に起こった出来事を語り継いだ民話や昔話のような感じがあました
略奪騎士の見た目は好みでした、騎士と付いているのに略奪者として盾を持っていないのがナイスデザインと思いました。