【絵本】狂った人形師 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
愛する人を失ったことを受け入れられない人形作家のお話。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい絵本の物語をお楽しみください
全21ページとなります。
【追記】2021年03月05日 修正を行いました
・5ページ目が少し物足りなかったので描き直し
・9ページ目の人形師の顔が少し気に入らなかったので微調整
・ラストページにエフェクトを追加
サンプル
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レビュー
周りの環境のせいで、愛する人を失ってしまった人形師ですが、最後に現れた悪魔の力によって、復讐を果たすともに、最愛の人と同じ姿をした存在に会うことができました。悪魔は「その人形に命を吹き込む」と言いつ、「愛する人を蘇らせる」などとは言っていないので、主人公が望んだ人と会えたのかはわかりません。
しかし、人形しか作れなった主人公が最後に復讐を果たすラストは悲しくありながらもやられたまで終わらなかったという希望を個人的に感じ、そのきっかけを作った悪魔は邪悪な存在かもしれませんがい仕事をしてくれたと感じました。 人形師として大成した主人公は、しかしそのことに全く価値を見出さず、ただひたすらに人形を作ることだけに没頭して悲しみを癒していたという導入から始まる本作。寧ろ人形師自身が人形を作るために創り上げられたマシンになってしまったかのよう。
扱っている題材が題材だけに、なか人形師の行動を肯定するのは難しいですが、しかし同情の余地がある内容ではあるでしょう。異常な環境、逃げ場のない環境、逆らえない厳格な父親など、人形師にとってたった一人の理解者がたった一人の恋人になってしまったことを、倫理的にはともかく、心情的に誰が責められるでしょうか。
果たして人形師の狂気の果ての願いはかなったのでしょうかね・。 ある人形師の悲しき人生を描いた作品。過酷な環境に置かれた人形師が、唯一の癒しを無慈悲な理由で失ってしまい、厭世と憎しみに陥ってしまいます。
最後に人形師が見たものは、果たして実在するものだったのか。癒しを失った時から幻影を見ていただけのような気がして、いろな解釈ができるところが面白い。絵本なんですけど、幼少の子に読ませるにはちょっとハードな物語。ゴシック建築調の飾り窓が美しい。 自害した妹の絵までなんだか綺麗で見惚れてしまった。この恋が間違いではないと肯定されているかのようだ。もう一度だけ逢いたい、もう一度だけ…のテキストはほとんど変わらず、人形師の制作の様子が絵で綴られているところは、彼のひたむきさと悲しさを感じられて、まさに語らずとも語るって感じで印象的でした。
鬱より感動、綺麗って感じの話。 彼には最愛の存在がいて、彼女のことを誰よりも愛していました。
彼女も彼を愛していましたが、周囲は2人の仲を認めなかったのです。
この関係に思い悩んだ彼女は、自らの手で幕を引いてしまったのでした。
これが有名な人形師へと成長するきっかけとなったので、悲しい話だなって思いました。
最愛の人をモチーフとして作られた人形が、彼を見ながら微笑んでいるシーンがラストにあります。
とても綺麗な表情をしていたから印象に残りました。 イケメン人形師は悲しかったのです。
なぜ悲しかったのか?
そしてとても狂っていました。
なぜ狂っていたのか?
悲しみに狂った人形師が、織りなす短い物語。
確かに人形師は可哀想な境遇でしたが、
なかに狂っておりまして、
人形師視点ではハッピーエンドですが、
実質メリーバッドエンドのような雰囲気が溢れ出しています。
やっぱり人形師という題材は良いですね。
静かで美しい狂気に満ちた絵本でした。