【絵本】スケッチブックの娘 [古都デュナルベルグ] | DLsite 同人 – R18
あらすじ
名も無い絵描きが受け取った、奇妙な運命。
飾り窓で飾られた物静かでどこか悲しい物語の絵本をお楽しみください。
表紙+65ページとなっています。
サンプル
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レビュー
今作はや長めの切ないファンタジー。冒頭だけちょっとホラーっぽいですが。結婚式のくだりで鳥肌…!主人公の絵描き設定を生かした、静かで素晴らしい流れです。おじいさんと主人公で二つの物語の厚みを感じる作品でした。おじいさんの過去に捕らわれた切ない物語はあの結婚式で終わり、最後は主人公の物語が豊かに楽しく、少しだけ切なく続いて行く…そんな風に感じました。少女の胸にぽっかりと空いた穴を埋めた絵描きに幸あれ。 この作品は、古都デュナルベルグのデュナの絵本シリーズ第31作です。
今回の作品は、デュナの絵本シリーズの作品では長編に位置する表紙+全65ページのフルカラー作品で、今回もデュナの絵本シリーズに特徴的な色彩表現が光ります。そんなこの作品の中心人物は「絵描き」です。ひたむきに絵を描く青年が主人公とは、長く続いてきたデュナの絵本シリーズにふさわしいバックボーンだなと思います。そんな画家に厚意で衣食住に困らない暮らしを保証してくれている資産家から言い渡される「触れるな」のタブー。定番でありながら謎の部分で、サンプル公開されている部分が終わります
私はこの作品のその後のストーリー展開について多くは申しませんが、優しいお話でした、ということは間違いないかと思います。自分としてもある程度ストーリーに予想を付けて読んだところはありましたが、なるほど・となる展開もあり、非常に購入して満足のいく作品でありました。 絵描きを目指す若い青年と、スケッチブックに描かれた娘の話。
若き絵描きロウハスは自分が納得する絵が描けずに悩みますが、スケッチブックの娘アネッタに頼まれて肖像画を描く時、何故か最高の傑作を生みだせる予感を持つという事は、やはりアネッタの恋人のルーファスの生まれ変わりなのではないかと思った。ルーファスの描いたアネッタの絵には胸に黒い穴が開いていましたが、これはルーファスが描いたものではなく、アネッタの寂しい気持ちが絵に現れたのですね。収集家のおじいさんの心残りもロウハスのおかげで解消してよかった。
最後のシーンを見るとやはりロウハスはルーファスの生まれ変わりなのではないかと思う。 ネタバレを控えて話しますが、良い話ですね、絵本らしい絵本だと思います、色褪せた過去というのがしっくりとくる過去の表現と血の気が引くような世界の時が止まるたような感情の起伏の表現も素敵でした、キャラクターの立ち位置とこの物語においてどれだけの重要な位置に着くかを色鮮やかに表されていて分かりやすかったです。 読み終えた後にこう思いました。
最初の方でロウハスが納得のいく絵を描けなかったのは、彼の中に何かが足りなかったせいではないかと。
その何かとは勿論、収集家のおじいさんとアネッタのことです。
前世でルーファスだった頃の気持ちが彼の中に残っていて、それが妨げになっていたんだと思います。
ある意味では前世からの宿題のようなものです。
でも宿題は、おじいさんとアネッタに再会したことにより、無事に提出することができました。
名前もルーファスになって絵の技術も向上したので、今の彼なら画家も認めてくれる気がします。